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2026.02.22
医院のお知らせ

「歯を抜かない矯正でセファロ(セファログラム)が重要な理由|非抜歯矯正の精密診断」

歯を抜かない矯正治療で「セファロ(セファログラム)」がとても大切な理由

「できるだけ歯を抜かずに矯正したい」という希望はとても多いです。
ただ、抜かないこと自体がゴールなのではなく、無理のない範囲で、健康的に歯を並べて噛める状態を作ることが本当の目的です。

そのために欠かせない検査のひとつが、セファロ(セファログラム:頭部X線規格写真)です。
セファロは、頭の骨格と歯の位置関係を、同じ条件で再現性高く撮影できるため、矯正の診断・治療計画に広く用いられてきました。

セファロ(セファログラム)って何がわかる検査?

セファロは、横顔方向などから撮影する“規格化された”レントゲンで、

  • 上あご・下あごの骨格の位置関係
  • 歯(特に前歯)の傾き・位置
  • 噛み合わせのズレが「骨格」由来か「歯並び」由来か
  • 成長の方向(特に成長期のお子さん)
  • 横顔(口元)のバランスの見立て

などを総合的に評価できます。

なぜ「歯を抜かない矯正」ほどセファロが重要なの?

抜歯矯正は、スペース(並べる余地)を作る設計が比較的わかりやすい一方で、非抜歯矯正はスペースをどう作るか/どこまで動かしてよいかの設計がシビアになります。

セファロが重要になる代表的な理由は次のとおりです。

1) 「骨格のズレ」なのか「歯の傾き」なのかを見分ける

見た目が似ていても、原因が骨格なのか歯の傾きなのかで、最適な治療戦略は変わります。
セファロで、上下あごの前後関係や成長パターンを把握することで、非抜歯で狙える範囲治療の優先順位が明確になります。

2) 前歯を「どこまで」動かせるかの安全域を考える

非抜歯矯正では、歯列を広げたり、前歯の角度を調整したりしてスペースを作ることがあります。
このとき、セファロで前歯の角度・位置の変化の方向性を数値として追えるため、無理な設計(口元の突出、噛み合わせの不安定化など)の予防に役立ちます。

3) 成長期では「成長予測」が治療結果を左右する

お子さんの矯正は、成長を味方にできる一方で、成長方向の読み違いが結果に影響します。
セファロは治療前後で比較しやすく、成長を踏まえた設計や経過評価に向いています。

4) 治療の途中で軌道修正できる(記録としても有用)

セファロは治療前の記録になり、必要に応じて治療中の進行評価にも使えます。
※ただし、撮影は「必要性(正当化)」を踏まえて行うのが大前提です。

「セファロを撮らない非抜歯矯正」で起こりやすい落とし穴

セファロが“絶対にないと矯正できない”という意味ではありませんが、少なくとも非抜歯の設計では、

  • 見た目は整ったのに、噛み合わせが安定しない
  • 口元(横顔)の変化が想定とズレる
  • 前歯の角度の管理が甘くなり、無理な移動計画になりやすい

といった「ズレ」が起こりやすくなります。
だからこそ当院では、“抜かないために、より精密に診る”という発想を大事にしています。

被ばくは大丈夫?(安全性について)

レントゲン検査では、必要最小限の被ばくで最大の情報を得ることが大切で、これは医療被ばくの基本原則(正当化・最適化)として広く示されています。

歯科領域の撮影(口腔内・セファロ等)は、一般に被ばく線量が小さい範囲にあります。
また、矯正で用いられる代表的な検査の目安として、セファロは数µSv程度とされ、自然放射線(年間平均)と比較しても小さい値として整理されています。

そして重要なのは、むやみに撮らないこと。
British Orthodontic Societyのガイドラインでも、セファロを含む放射線画像は臨床的に正当化される理由に基づいて撮影することが示されています。

よくある質問(FAQ

Q. セファロは痛いですか?
A. 痛みはありません。頭部を固定して、短時間で撮影します。

Q. 何回撮りますか?
A. 症例や年齢(成長期かどうか)で変わります。基本は「必要最小限」です。

Q. CTCBCT)とは違うの?
A. 目的が違います。セファロは骨格と歯の位置関係を“規格化して比較”するのが得意で、CTは立体情報が必要なときに有用ですが、一般に線量は幅があります。