- 2026.02.27
- 矯正コラム
インビザライン(マウスピース矯正治療)で非抜歯矯正を目指すための3つの方法
インビザラインで非抜歯矯正を目指すための3つの方法

1)IPR(歯と歯の間を少し整えてスペースを作る)
IPRとは、歯と歯の間のエナメル質をわずかに調整して、歯並びを整えるためのスペースを確保する方法です。
「歯を削る」と聞くと不安に感じる方も多いですが、必要最小限で計画的に行います。
IPRの目的は、単にスペースを作るだけではなく、
- 歯のねじれ(捻転)の改善
- 前歯の出っ張りの調整
- 仕上がりのバランス改善
- 後戻りの予防(歯の形態調整)
などにも役立つことがあります。
ポイント:
IPRは“たくさん削る”治療ではなく、精密にコントロールして行う補助的な処置です。
2)遠心移動(奥歯を後ろへ移動してスペースを作る)
遠心移動とは、奥歯全体を少し後方へ移動させて、前歯が並ぶスペースを確保する方法です。
インビザラインは、歯の移動を段階的に設計できるため、遠心移動と相性が良いケースがあります。
特に、
- 前歯の軽~中等度の叢生(ガタつき)
- 口元の突出感を少し改善したいケース
- 噛み合わせのバランス調整が必要なケース
で有効になることがあります。
ただし、遠心移動には
- 親知らずの状態
- 奥歯の傾き
- 骨の条件
- ゴムかけなどの協力状況
が関わるため、誰でも同じようにできる方法ではありません。
3)アーチの拡大(歯列の幅を整える)
アーチの拡大とは、歯列の横幅を整えて、歯が並ぶスペースを作る考え方です。
「拡大」と聞くと大きく広げるイメージがありますが、実際には骨や歯ぐきへの負担を考慮しながら、無理のない範囲で行うことが大切です。
適切な拡大によって、
- 歯が並ぶスペースの確保
- 歯列の丸み・見た目の改善
- 噛み合わせの安定性向上(症例による)
が期待できます。
一方で、無理な拡大は
- 歯ぐきへの負担
- 後戻り
- 噛み合わせの不安定化
につながることもあるため、診断が非常に重要です。
大切なのは「1つの方法だけでなく、組み合わせること」
非抜歯矯正を成功させるポイントは、
IPRだけ、拡大だけ、遠心移動だけに頼るのではなく、
患者さんの歯並び・骨格・噛み合わせに合わせて、複数の方法をバランスよく組み合わせることです。
たとえば当院では、症例によって
- IPRで少しスペースを作る
- 奥歯を遠心移動する
- 歯列の幅を整える
- 必要に応じて歯の傾きや位置を細かく調整する
といった形で、総合的に設計していきます。
「歯を抜かない矯正」が向いている方・注意が必要な方
非抜歯で治療しやすい可能性がある方
- 軽度~中等度のガタつき
- 歯の傾きや位置の調整で改善が見込める方
- 奥歯を後方移動できる条件がある方
- 骨や歯ぐきの状態が良好な方
慎重な判断が必要な方
- 重度の叢生(スペース不足が大きい)
- 前歯の突出が強い
- 骨格的なズレが大きい
- 歯ぐきが薄い/歯周組織に負担がかかりやすい
- 噛み合わせの安定を最優先すべきケース
「抜歯しないこと」そのものが目的ではなく、長期的に安定して噛めること・見た目と機能の両立が大切です。
当院が大切にしていること
“無理に抜かない”ではなく、“診断のうえで可能性を最大限に引き出す”
当院では、
**「とにかく抜かない」**という考え方ではなく、
**「できるだけ歯を残しながら、機能的で安定した噛み合わせを目指す」**ことを重視しています。
そのために、
- 口腔内診査
- レントゲン/必要な画像診断
- 歯ぐきや骨の状態の確認
- 噛み合わせの評価
- 仕上がりのシミュレーション
を丁寧に行い、患者さんと相談しながら治療方針を決めます。
まとめ|インビザラインでも、非抜歯矯正の選択肢は広がる
インビザラインを使った矯正では、
IPR・遠心移動・アーチ拡大などを適切に組み合わせることで、
歯を抜かずに治療できる可能性があるケースが増えています。
ただし、最も大切なのは、
見た目だけでなく、噛み合わせ・歯ぐき・長期安定性まで含めた診断です。
「抜歯と言われたけれど、本当に抜歯が必要なのか相談したい」
「できるだけ歯を残せる方法があるか知りたい」
という方は、ぜひ一度ご相談ください。
患者さんごとに、最適な治療方法は異なります。
当院では、あなたの状態に合わせて、無理のない・納得できる矯正治療をご提案します。
よくあるご質問(FAQ)
Q. インビザラインなら必ず歯を抜かずにできますか?
A. いいえ。インビザラインは優れた治療方法ですが、すべての症例で非抜歯になるわけではありません。 骨格やスペース不足の程度によっては、抜歯や他の方法がより適している場合もあります。
Q. IPRは痛いですか?
A. 多くの場合、強い痛みはありません。必要最小限の範囲で行い、処置内容も事前にご説明します。
Q. 非抜歯のほうが絶対に良いですか?
A. 必ずしもそうではありません。大切なのは、その方にとって機能的・審美的・長期的に安定する方法を選ぶことです。





